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拝啓 ジョンレノン様 1999-11-30

朝、私は最悪のコンディションの中、目が覚める。昨日のバスの極寒が効いている。
体の自己管理は一番気にしているが、ノドがやられている。気合を入れて私は現場へ向かった。

今日からは日本人エンジニアはいない。都合で日本へ帰国してしまった。
仕込みとサウンドチェックではトラブルの連続。 バンドメンバーのみで中国人スタッフとやりとりしなければならない。
あいかわらず中国人の段取りはとろくさくどんくさい。
ただロックバンドのコンサートに慣れていない中国人は一生懸命私達に協力しようとしてくれている。
(それが裏目にでるのだが・・・)

バタバタしながらあっという間に日が暮れた。とりあえず不安もつもる中、開場する。
ステージのわきからこそっと客席を覗く。なんとまたもや超超満員。
立ち見まででている上に通路もぎゅうぎゅう詰めになっている。 待ち時間の間、東台市新聞の取材があった。
2人の新聞記者からインタビューがはじまる。いかにも新聞記者のルックスの2人組。

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街を散歩東台市文化局の偉いさん方々の歓迎会

記「ニーハオ」
伊「ニーハオ」
記「東台市に来られてどうですか?」
伊「はい、活気があってすばらしい街です」(たてまえ)
 「はい、みんなやくざみたいでとっても恐ろしい街です」(本音)
記「中国に対しての印象はどうですか?」
伊「文化的に大変すばらしいと思います。あと経済的な急成長には驚かされます。
日本は経済ばかり追いかけて大事な文化を見失いかけています。
中国はそうならないように母国の文化を大事にしてほしいです。」(これ本音)

ってな感じでインタビューは続いた。明日の新聞一面にこの記事が載るらしい。

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胡弓の演奏琴の演奏

そんなこんなしてる間に開演・・・・。いつものごとくSEからはじまる。
お客さんは一曲目、二曲目まで完全にひいている。食いつきが全くない。
それもそうである。この街は特に年功序列のため、 最前列の高価なチケット席はどこぞの偉いさんのおっさんばっかである。
2階の安価なチケット席は若者で盛り上がっている。
そんなことも気にせず私達は3曲目の「I don't like you」をぶちかます。
前半は客のノリがわるいまま幕を閉じる。

小休止を入れて後半に突入!! だんだん慣れてきたせいか、ちょっと食いつきがでてきた。
オリジナル曲「愛の銃弾」で最前列の子供をステージにあげた。 (またもやリーサルウェポンを出してしまった)
もちろん会場は一気に火がつく。 ステージから見える顔のこわいおっさんが一気に笑顔にかわる。
さぁこっちのもんである。 そして中国の有名ロックナンバー「イーアルサンスー」と「朋友」2連発。
会場はスタンディングオベイション「よっしゃー!!ざまあみろ」

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書道家から書の贈り物打琴の演奏

そしてアンコールで大フィーバー!!ステージは平和な空気でつつまれる。
この街で平和に幕を閉じることははっきりいって不可能に近い。 なぜなら私達は日本人だからである。
南の地域は日本人の知らない所で昔大変な事件がおこっている。 日本人は彼らに大変ひどいことをしている。戦争時の事である。
今でもそれは若者に伝えられており、日本人を憎み恨み育った人間は数知れず・・・・。

その地域で日本人がコンサートを成功させることは大変誇り高き事である。
たてまえだけの政治家の文化交流よりイベントよりもよっぽど日中友好イベントである。
しかもロックンロールで平和が生まれたことは大変うれしい事である。

拝啓 ジョンレノン様
あなたの行った活動は間違っていなかった。
私達もほんの少しロックで平和を生み出すことができました。 あなたに少し恩返しができたと思います。

LOVE & PEACE & R&B....
Jonny B Good....

伊丹谷良介

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スタッフの一人がTPの演奏を、逸平ちゃんピンチ!?日本側から額の贈り物
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会場前の手書きの看板。。。似てねぇ会場となった人民劇場
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リハーサル風景ただ今本番中

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1999/11/30

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